今回はアードベッグ蒸溜所 (Ardbeg Distillery) です。

アードベッグとは 「小さな岬」 という意味を持ち、
その場所はアイラ島の南東の海岸に位置する蒸溜所です [地図]。


[アードベッグ - 小さな岬]

まずはいつものごとく、例のごとく、アードベッグ蒸溜所のその景観よりお届けしてゆきます。
(見学ツアーに参加する時間はなかったので、外観のみのご紹介となります)


[ポートエレンから東へ約4マイル。 前方に現れたアードベッグの看板]


[下り坂の向こうにはアードベッグが]


[アードベッグ入り口。 まず目に入るポットスチル]


[車をとめて、まず目に入る建物。 中にはアードベッグカフェがあります]


[蒸溜所内部。 敷地内部に建物が点在している感じでした]


[中をのぞいて見ると、看板のようなものをつくっていました]


[樽の先には海]


[海に臨むアードベッグ]


[その壁の汚れ具合は疲弊感を漂わせます]


[向かう先にある海は穏やか]


[ごつごつした岩肌が特徴的]


[振り返ってみるアードベッグ全体像]


[風雨にさらされ続ける樽]

というようなアードベッグ蒸溜所ですが、
アードベッグといえば 「徹底的に炊き込まれたピート香」 で有名です。
ピートといえばアイラモルトの象徴、とくに以前ご紹介したラフロイグでは、その特徴は徹底的にピートを炊き込むことである、とご紹介しましたが、ここアードベッグのピートの炊き込みぶりは、さらにその上をゆきます。

参考として、ピート香の数値指標を書いてある本を見つけたので、その内容を紹介します。
ピート香はフェノール値という含有率で表現することができるそうです。
有名どころのウイスキーに対する例をあげると、

・マッカランは 「1ppm」
・カリラ、ラフロイグ、ラガヴーリンは 「35ppm」
・アードベッグは 「55ppm」

というような数字が出ているらしく、
ウイスキーのロールスロイスと呼ばれる、優雅でまろやか、誰からも好まれやすいマッカランの 1ppm を基準にして単純に比較すると、アイラモルトの中でもピートが強いラフロイグなどはその 35倍、アードベッグにいたってはその 55倍ということで、アードベッグが他のアイラモルトと比べても、群を抜いて強くピートを炊き込んでいる状況がうかがえます。

誰よりも徹底的にピート香が炊き込まれているウイスキー。
それがアードベッグなのです。



[アードベッグには立派なカフェがあります。 これはその入り口]


[アードベッグカフェ内部。 ショップもしっかりありました]


[アードベッグは犬がトレードマーク。 ショップ入り口の足元を撮影]


というように、主に外観を中心にお届けしました、アードベッグ蒸溜所。

その味ですが、ピート香最強の事実が示すだけあり 「力強すぎる」 という言葉がまさに似合うのがこのウイスキーであり、あたりは本当に強烈。 とくに初めのうちは、激しく揺さぶられる感じがするほどまでにピート香の強いウイスキーです。

なのですが、飲み続けていると、だんだんその強烈なピートになれてきて、その裏に潜んでいる香りと味のベースに流れる複雑で繊細な味わいが気になりだす... というような、

「付き合いづらいが奥深い」

不思議な世界をつくっているウイスキーです。


[アードベッグ - TEN Years old]