アイラの島からの帰路 [アイラ]
何回かに分けてお届けさせていただきました、アイラの旅。
蒸溜所めぐりは、前回のラガヴーリンでおしまい、続きましては帰路につきます。
最後に訪れたラガヴーリン蒸溜所から、アイラの飛行場へゆくには、
ポートエレンの街を通り抜けてその北へ向かいます [地図]。
[アイラ空港。 それは、建物ひとつ、飛行機ひとつの小さな空港です]
[空港前の道路。 バス停の向こうに家ひとつ。 それ以外は何も見えません]
[入り口の看板。 文字の雰囲気に古めかしさを感じます]
アイラ空港内部には、アイラの島がウイスキー造りに捧げてきた長い年月を感じさせるような絵画が何枚も飾られています。 それら、一枚一枚の絵画の繰り成す雰囲気が、
アイラ空港の印象として、今もとても強く残っています。
[アイラ空港の壁画。 アイラ島がウイスキー造りに捧げてきた長い年月を語ります]
当然ながら、空港にはウイスキーもたくさん飾ってあります。
[上から、ボウモアとアードベッグ]
[ブナハーブンに...]
[ラフロイグ]
[そして、古くからあるティーポットとポケットボトル]
というようなアイラ空港は、
その内装と飾り付けが独特の空気感を放っている小さな空港です。
そのようなアイラ空港を後にして、飛行機は大都市グラスゴーへ向けて、
飛び立ってゆくのです。
[上空から見るアイラ島]
[海の波は、ゆるやかに、かつ力強く。 島に向けて打ち付け続けます]
----------
実際にして、アイラの島を去ってみると、なんだかとても不思議な気分がした。
今先ほどまで訪れていたはずのアイラの島。
一体、あの島はなんだったのだろうかと、そんな不思議な気分がした。
アイラの島に流れる時間は他とは違う。
アイラの島は質素極まりない島であり、島のほとんどは手付かずの自然、街も民家もまばら、店といえば、生活を支える上で最低限必要な小さなスーパーマーケットと薬局程度しかないような、質素極まりない島である。
そのような質素な暮らしをする人のほとんどは、
昔から伝わってきたウイスキー造りを守り続ける生活をいとなんでいる。
スコッチウイスキーづくりの根本的な精神。
それは、 「現状維持」 にある。
先人達が奇跡的に造り出した神秘の酒を守り、そして、
世に送り続けることだけを考えて今を過ごしている。
したがって、そこで過ごす人たちは前に進むことを求めない。
過去を守り続けることだけを考えて今を過ごしている。
常に成長を求め続ける都会とは、求めるものが根本的に違っているのである。
そう考えれば考えるほど、
独特の空気を放つ遺跡のようなアイラの島を後にして、見慣れた大都市に戻ってゆくその一時には、言葉にしがたいなんとも不思議な気分にさらされてしまうのです。
----------
とある本で知ったのだが、「アイラ・アイテス」 という言葉があるらしい。
それはどういう意味かというと、アイラの島はその見た目として、手付かず吹きっさらしの荒涼とした、とてもクールでドライな印象があるのだが、その内にはゆるぎない熱さと情熱を秘めている。
「アイラ・アイテス」 とは、その、見た目と中身の印象における、ものすごい違いがアイラの島を訪れる人に対して忘れがたい心象を植えつける、という、
アイラの放つその比類ない魅力を表現するための言葉であるらしい。
実際に、そのアイラ ・ アイテスにとりつかれ、何度もアイラを旅する人はいるようであり、
今回、アイラの旅をしている最中にも、3人ほどから同じことを聞かれたことを覚えている。
「アイラへ来たのは何度目か」
という具合に。
一度アイラを旅した人は、そこを何度も訪れる。
アイラの島とは、それほどまでに、奥ゆかしい魅力を秘めた島なのです。
----------
そんなアイラの島。
今を保ち続けることしか考えていないほどに現状に対してゆるぎない自信を持ちながらにも、あわせて、他者に対する寛容さにも満ち溢れている不思議な島。
その、訪れる人を魅きつける不思議な魅力とは、アイラの人の持つ、
「自信と寛容の組みあわせ」
にあるのではないだろうかと、
アイラの島を実際に訪れ、そして去りゆきつつ時に思ってしまうのです。
そうして締めくくります。 アイラの旅。
写真とともに、お送りいたしました。
蒸溜所めぐりは、前回のラガヴーリンでおしまい、続きましては帰路につきます。
最後に訪れたラガヴーリン蒸溜所から、アイラの飛行場へゆくには、
ポートエレンの街を通り抜けてその北へ向かいます [地図]。
[アイラ空港。 それは、建物ひとつ、飛行機ひとつの小さな空港です]
[空港前の道路。 バス停の向こうに家ひとつ。 それ以外は何も見えません]
[入り口の看板。 文字の雰囲気に古めかしさを感じます]
アイラ空港内部には、アイラの島がウイスキー造りに捧げてきた長い年月を感じさせるような絵画が何枚も飾られています。 それら、一枚一枚の絵画の繰り成す雰囲気が、
アイラ空港の印象として、今もとても強く残っています。
[アイラ空港の壁画。 アイラ島がウイスキー造りに捧げてきた長い年月を語ります]
当然ながら、空港にはウイスキーもたくさん飾ってあります。
[上から、ボウモアとアードベッグ]
[ブナハーブンに...]
[ラフロイグ]
[そして、古くからあるティーポットとポケットボトル]
というようなアイラ空港は、
その内装と飾り付けが独特の空気感を放っている小さな空港です。
そのようなアイラ空港を後にして、飛行機は大都市グラスゴーへ向けて、
飛び立ってゆくのです。
[上空から見るアイラ島]
[海の波は、ゆるやかに、かつ力強く。 島に向けて打ち付け続けます]
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実際にして、アイラの島を去ってみると、なんだかとても不思議な気分がした。
今先ほどまで訪れていたはずのアイラの島。
一体、あの島はなんだったのだろうかと、そんな不思議な気分がした。
アイラの島に流れる時間は他とは違う。
アイラの島は質素極まりない島であり、島のほとんどは手付かずの自然、街も民家もまばら、店といえば、生活を支える上で最低限必要な小さなスーパーマーケットと薬局程度しかないような、質素極まりない島である。
そのような質素な暮らしをする人のほとんどは、
昔から伝わってきたウイスキー造りを守り続ける生活をいとなんでいる。
スコッチウイスキーづくりの根本的な精神。
それは、 「現状維持」 にある。
先人達が奇跡的に造り出した神秘の酒を守り、そして、
世に送り続けることだけを考えて今を過ごしている。
したがって、そこで過ごす人たちは前に進むことを求めない。
過去を守り続けることだけを考えて今を過ごしている。
常に成長を求め続ける都会とは、求めるものが根本的に違っているのである。
そう考えれば考えるほど、
独特の空気を放つ遺跡のようなアイラの島を後にして、見慣れた大都市に戻ってゆくその一時には、言葉にしがたいなんとも不思議な気分にさらされてしまうのです。
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とある本で知ったのだが、「アイラ・アイテス」 という言葉があるらしい。
それはどういう意味かというと、アイラの島はその見た目として、手付かず吹きっさらしの荒涼とした、とてもクールでドライな印象があるのだが、その内にはゆるぎない熱さと情熱を秘めている。
「アイラ・アイテス」 とは、その、見た目と中身の印象における、ものすごい違いがアイラの島を訪れる人に対して忘れがたい心象を植えつける、という、
アイラの放つその比類ない魅力を表現するための言葉であるらしい。
実際に、そのアイラ ・ アイテスにとりつかれ、何度もアイラを旅する人はいるようであり、
今回、アイラの旅をしている最中にも、3人ほどから同じことを聞かれたことを覚えている。
「アイラへ来たのは何度目か」
という具合に。
一度アイラを旅した人は、そこを何度も訪れる。
アイラの島とは、それほどまでに、奥ゆかしい魅力を秘めた島なのです。
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そんなアイラの島。
今を保ち続けることしか考えていないほどに現状に対してゆるぎない自信を持ちながらにも、あわせて、他者に対する寛容さにも満ち溢れている不思議な島。
その、訪れる人を魅きつける不思議な魅力とは、アイラの人の持つ、
「自信と寛容の組みあわせ」
にあるのではないだろうかと、
アイラの島を実際に訪れ、そして去りゆきつつ時に思ってしまうのです。
そうして締めくくります。 アイラの旅。
写真とともに、お送りいたしました。
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