山崎蒸溜場 2008 [ジャパニーズ]
山崎蒸溜場を訪れました。
それは、京都の傍らの山間に凛として佇む 「和の蒸溜所」 です。
水と緑の国 - 日本が誇る、ジャパニーズウイスキー発祥の地です。
山崎蒸留場とは、日本で最初につくられたサントリーの蒸溜場であり、その創業は 1923年。
場所は、京都から電車ですぐの山崎駅から徒歩で向かえる便利な場所に位置する蒸溜所です。[地図]
[山崎駅にある山崎の看板]
[山崎蒸溜所 外観]
[蒸溜所の背後には山がそびえます]
[結構険しい山がそびえます]
[雰囲気はしっとりとして落ち着いています]
[唐突にして立ち上がる煙に、驚かされます]
[山崎は緑の山を背に、茶色の建物がたちひしめく蒸溜所です]
そして、山崎ウイスキー館に入ります。
山崎ウイスキー館の内部には、光を浴びる山崎原酒の数々がならべられています。
[原酒の回廊]
[背後からライティングされる原酒はとても神秘的に見えます]
[原酒は熟成樽により味個性が異なります。 色も異なります]
そして、山崎のツアーが始まります。
[糖化層はステンレスと木のあわせ技で]
[発酵は普通に木で]
続いて、蒸溜の部屋へ向かいます。
[山崎のポットスチル]
山崎のポットスチルは、こうごうしいまでに金色に光り輝いています。
アイラの蒸溜所で見たポットスチルは、ありのままというか、吹きっさらしというか、蒸溜する酒がよければそれでよし、その見た目は着飾らない。 そんな感じのする、荒々しさ感漂うポットスチルばかりである印象があったので、この山崎の金色に光り輝くポットスチルには、ちょっとやりすぎ... との感じを覚えてしまうくらいに、光り輝くものである印象を受けてしまいました。
[金色に光輝くポットスチル]
山崎のポットスチルには形が 2種類あります。
普通の形のポットスチルと、ふくらみのあるポットスチルの 2種類がありまして、それぞれ、蒸溜の速さに違いがでるので、結果としてそれぞれできる味は異なるそうです。
山崎はその 2種類のポットスチルを組み合わせて作るウイスキーであり、
そのやりかたは、世界的に見ても珍しい蒸溜所であるそうです。
[ふくらみのあるポットスチル]
そして、続くは 「熟成」 です。
[山崎熟成庫]
山崎蒸溜所の熟成庫は、心安らぐような木の香りで満ち溢れています。
それは、アイラの蒸溜所ではまるで感じることのできないほどに、穏やかで品のある香りであり、ウイスキーの味の 60% はこの熟成の課程で決まるものであることを考慮すると、自然として、この熟成の部屋の木の香りに山崎のアイデンティティを見出してしまいます。
[連なる樽]
[詰みあがる樽]
そうして山崎の見学は終了。
最後に待つは、恒例の試飲です。
[山崎ストレートとそのマザーウォーター]
試飲では、山崎と、その山崎を仕込む上で使われる水が出されます。
ウイスキーの仕込み水は、マザーウォーターと呼ばれます。
ウイスキーとは、この製造過程の仕込み水であるところのマザーウォーターで割るのが、一番おいしい飲み方であると言われています。 山崎のマザーウォーターは市販では売られていない水であるので、この組み合わせを味わえるのはここ、山崎蒸溜所のみとなります。
[山崎の水。 日本の水]
そのような山崎蒸溜所のありさまを見ていて、一番感銘をうけることは、
スコットランドの文化のものであるウイスキーという異国の酒を、
日本独自のものとして、自らの色によって見事に表現できていることです。
[和の庭]
[さりげなくして和を思わせる色彩を欠かしません]
山崎蒸溜所は、京都の雰囲気をかすかにかもし出しています。
この山崎のような、
・異国のもの取り入れて、
・自らのやりかたで新たに生みなおす。
という製品創造のアプローチとは、代表的な日本企業の実績にも見られるものであり、思いつく例をあげるとすると、ソニーのトランジスタラジオがそう。 トランジスタという、異国の音声増幅の基礎原理技術を、自らの持ちえる小型化の技術を用いてポータブルラジオに仕立て、世界に知らしめる、というような過去の流れを思い出す。(もちろんラジオというのは遠い昔の話ではあるが、ソニーというのはそのようなツギハギの繰り返しでもって、今までを生きているところがある)
海外から得たものを自国に取り入れ、自らの持ちえる技術と感性で熟成させて全体を形作る、という点では共通であるこのサントリーとソニーであるが、長い目で見たときに、特に模倣可能性という点において、その強みの本質というか、持続性のようなものは大いに違うような気がする。
そこのところ、どう違うのか。
技術は真似ができる。
なぜならば、技術とは人が作り出した 1 と 0 の組み合わせのようなものであるので、それは、時間の問題でもって、何かしらのかたちでもって、いずれかは誰かが真似することができる。
一方で、地の利とは、大地のもたらす恵みのようなものであるので、当然ながら、それはどれだけ時がすぎても、その地に住む人以外には、誰にも真似することができない。
「地の利」 とは、アタリマエだがユルギナイ強みを秘めている。
その 「技術」 と 「地の利」 の発する強みの違いとは、その特性にして、まるで 「中距離走者」 と 「長距離走者」 の違いを思わせるようなものであり、その違いとは、長い目で見ていると、ただジワリジワリと広まってゆく一方であるような、トテツモナイ違いであるような気がしてくる。
-----
文化とは土地に根ざすものである。
文化と密接に結びつく、いわゆる土地に根ざす産業というものは、奥が深く、趣があり、無理がなく、自然としてあるべき姿のようであり、人の情熱を駆り立てやすくして、物事の本質を突いているようでして、結果として息の長いものであるような気がします。
そう考えたときに、土地に根ざす文化を長い時をかけて産業に結びつけた姿を、今見事にして見せる山崎には、心底尊敬のまなざしを覚えてしまいます。
[山崎 - 和の情景]
そのようにして、
ふと思えば 「文化と産業の結びつき」 という観点から物事を考えさせられてしまう...
壮大なテーマが歩みきた歴史に込められている。
水と緑の国、日本が誇る、和の色彩に満ちた蒸溜場、山崎。
[山崎 - シングルモルトウイスキー]
その存在は、まさにして 「なにも足さない。 なにも引かない。」
ゆるぎない存在感を据える、不動のジャパニーズウイスキーです。
それは、京都の傍らの山間に凛として佇む 「和の蒸溜所」 です。
水と緑の国 - 日本が誇る、ジャパニーズウイスキー発祥の地です。
山崎蒸留場とは、日本で最初につくられたサントリーの蒸溜場であり、その創業は 1923年。
場所は、京都から電車ですぐの山崎駅から徒歩で向かえる便利な場所に位置する蒸溜所です。[地図]
[山崎駅にある山崎の看板]
[山崎蒸溜所 外観]
[蒸溜所の背後には山がそびえます]
[結構険しい山がそびえます]
[雰囲気はしっとりとして落ち着いています]
[唐突にして立ち上がる煙に、驚かされます]
[山崎は緑の山を背に、茶色の建物がたちひしめく蒸溜所です]
そして、山崎ウイスキー館に入ります。
山崎ウイスキー館の内部には、光を浴びる山崎原酒の数々がならべられています。
[原酒の回廊]
[背後からライティングされる原酒はとても神秘的に見えます]
[原酒は熟成樽により味個性が異なります。 色も異なります]
そして、山崎のツアーが始まります。
[糖化層はステンレスと木のあわせ技で]
[発酵は普通に木で]
続いて、蒸溜の部屋へ向かいます。
[山崎のポットスチル]
山崎のポットスチルは、こうごうしいまでに金色に光り輝いています。
アイラの蒸溜所で見たポットスチルは、ありのままというか、吹きっさらしというか、蒸溜する酒がよければそれでよし、その見た目は着飾らない。 そんな感じのする、荒々しさ感漂うポットスチルばかりである印象があったので、この山崎の金色に光り輝くポットスチルには、ちょっとやりすぎ... との感じを覚えてしまうくらいに、光り輝くものである印象を受けてしまいました。
[金色に光輝くポットスチル]
山崎のポットスチルには形が 2種類あります。
普通の形のポットスチルと、ふくらみのあるポットスチルの 2種類がありまして、それぞれ、蒸溜の速さに違いがでるので、結果としてそれぞれできる味は異なるそうです。
山崎はその 2種類のポットスチルを組み合わせて作るウイスキーであり、
そのやりかたは、世界的に見ても珍しい蒸溜所であるそうです。
[ふくらみのあるポットスチル]
そして、続くは 「熟成」 です。
[山崎熟成庫]
山崎蒸溜所の熟成庫は、心安らぐような木の香りで満ち溢れています。
それは、アイラの蒸溜所ではまるで感じることのできないほどに、穏やかで品のある香りであり、ウイスキーの味の 60% はこの熟成の課程で決まるものであることを考慮すると、自然として、この熟成の部屋の木の香りに山崎のアイデンティティを見出してしまいます。
[連なる樽]
[詰みあがる樽]
そうして山崎の見学は終了。
最後に待つは、恒例の試飲です。
[山崎ストレートとそのマザーウォーター]
試飲では、山崎と、その山崎を仕込む上で使われる水が出されます。
ウイスキーの仕込み水は、マザーウォーターと呼ばれます。
ウイスキーとは、この製造過程の仕込み水であるところのマザーウォーターで割るのが、一番おいしい飲み方であると言われています。 山崎のマザーウォーターは市販では売られていない水であるので、この組み合わせを味わえるのはここ、山崎蒸溜所のみとなります。
[山崎の水。 日本の水]
そのような山崎蒸溜所のありさまを見ていて、一番感銘をうけることは、
スコットランドの文化のものであるウイスキーという異国の酒を、
日本独自のものとして、自らの色によって見事に表現できていることです。
[和の庭]
[さりげなくして和を思わせる色彩を欠かしません]
山崎蒸溜所は、京都の雰囲気をかすかにかもし出しています。
この山崎のような、
・異国のもの取り入れて、
・自らのやりかたで新たに生みなおす。
という製品創造のアプローチとは、代表的な日本企業の実績にも見られるものであり、思いつく例をあげるとすると、ソニーのトランジスタラジオがそう。 トランジスタという、異国の音声増幅の基礎原理技術を、自らの持ちえる小型化の技術を用いてポータブルラジオに仕立て、世界に知らしめる、というような過去の流れを思い出す。(もちろんラジオというのは遠い昔の話ではあるが、ソニーというのはそのようなツギハギの繰り返しでもって、今までを生きているところがある)
海外から得たものを自国に取り入れ、自らの持ちえる技術と感性で熟成させて全体を形作る、という点では共通であるこのサントリーとソニーであるが、長い目で見たときに、特に模倣可能性という点において、その強みの本質というか、持続性のようなものは大いに違うような気がする。
そこのところ、どう違うのか。
技術は真似ができる。
なぜならば、技術とは人が作り出した 1 と 0 の組み合わせのようなものであるので、それは、時間の問題でもって、何かしらのかたちでもって、いずれかは誰かが真似することができる。
一方で、地の利とは、大地のもたらす恵みのようなものであるので、当然ながら、それはどれだけ時がすぎても、その地に住む人以外には、誰にも真似することができない。
「地の利」 とは、アタリマエだがユルギナイ強みを秘めている。
その 「技術」 と 「地の利」 の発する強みの違いとは、その特性にして、まるで 「中距離走者」 と 「長距離走者」 の違いを思わせるようなものであり、その違いとは、長い目で見ていると、ただジワリジワリと広まってゆく一方であるような、トテツモナイ違いであるような気がしてくる。
-----
文化とは土地に根ざすものである。
文化と密接に結びつく、いわゆる土地に根ざす産業というものは、奥が深く、趣があり、無理がなく、自然としてあるべき姿のようであり、人の情熱を駆り立てやすくして、物事の本質を突いているようでして、結果として息の長いものであるような気がします。
そう考えたときに、土地に根ざす文化を長い時をかけて産業に結びつけた姿を、今見事にして見せる山崎には、心底尊敬のまなざしを覚えてしまいます。
[山崎 - 和の情景]
そのようにして、
ふと思えば 「文化と産業の結びつき」 という観点から物事を考えさせられてしまう...
壮大なテーマが歩みきた歴史に込められている。
水と緑の国、日本が誇る、和の色彩に満ちた蒸溜場、山崎。
[山崎 - シングルモルトウイスキー]
その存在は、まさにして 「なにも足さない。 なにも引かない。」
ゆるぎない存在感を据える、不動のジャパニーズウイスキーです。
|
タグ:ジャパニーズ
コメント 0