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ボウモア蒸溜所 [アイラ]

いよいよ、ボウモア蒸溜所 (Bowmore Distillery)[地図] の紹介です。

ボウモアといえば、一般的にはアイラモルトで一番有名、
地理的にもアイラ島のちょうど真ん中に位置し、味としても、
個性の強いアイラモルトの中で一番バランスよく作られている、といわれているウイスキーで、
アイラ島に来たならば、ここは必ず訪れるべきである、というような有名な蒸溜所です。

ボウモアとは 「大いなる岩礁」 という意味を持ち、その名からはインダール湾から打ち付ける厳しい波にさらされながら、ウイスキーを熟成させ続けている姿を思わさせられます。

ボウモア - 大いなる岩礁
[ボウモア - 大いなる岩礁]

ボウモアは、アイラ島で最古の蒸溜所でありながら、その景観、たたずまい、設備は洗練されたものであり、厳しい潮風に吹き付けられつつあるにも限らず、その壁は白く輝き、内装も綺麗に整えられ、一方では蒸溜所から出る余熱で温水プールを敷地内に持っているほどの、近代的な蒸溜所である印象をうけました。

ボウモア入り口。 市内から撮影
[ボウモア入り口。 市内から撮影]

ボウモア温水プール入り口
[ボウモア温水プール入り口]

ボウモアは、蒸溜所の見学ツアーを行っています。
その数、10時、11時、14時、15時からの一日合計 4回、予約は不要で 10分前までにカウンターでお願いをすれば大丈夫です。価格は一人 4ポンドでした。

まず。ボウモアの見学ツアーで見せてもらったのは、麦芽作りのプロセス。
大麦を糖化して、発酵させるために、水を加え、乾かす作業を何回か繰り返し、発芽させる作業です。

麦芽作り。 かなり人力でこなしています
[麦芽作り。 かなり人力でこなしています]

発芽した大麦
[発芽した大麦]

続いては、ここで発芽した麦芽を、最終的に乾燥させるために、ピートで炊き込みをします。

このように、部屋に発芽した大麦を敷き詰めて...
[このように、部屋に発芽した大麦を敷き詰めて...]

下からピートで炊き込み、乾燥させます
[下からピートで炊き込み、乾燥させます]

ピートです。 アイラモルトのスモーキーフレーバーの秘訣はこれにあります
[ピートです。 アイラモルトのスモーキーフレーバーの秘訣はこれにあります]

というように、ウイスキー作り、一番初めのプロセスとして、麦芽をつくるわけなのですが、
今、多くの蒸溜所は、この麦芽作りをモルトスターという外部の業者に委託します。最近はそれが一般的なのだそうです。
モルトスターでは、蒸溜所から提示された情報に従い、機械を駆使して麦芽を作るそうなのですが、アイラ島ではボウモアとラフロイグのみは、この麦芽作りを外部に委託せず、すべて自らの手で、昔ながらのやりかたで行っているのが、特徴なのだそうです。この伝統的なやりかたが、ボウモアの味を維持する上で欠かせないのでしょう、きっと。

糖化
[糖化]

続いて糖化です。砕いた麦芽と水を混ぜて、糖化させます。
使う水は、ピート層をしっかりくぐったラガン川の水を使います。


発酵
[発酵]

続いては発酵、大きな樽で発酵させます。


蒸溜
[蒸溜]

そしていよいよ蒸溜です。ポットスチルで標準の 2 回、蒸溜をかけます。


蒸溜の抽出制御
[蒸溜の抽出制御]

蒸溜で出てきたアルコールは、初めと終わりは捨てて真ん中だけ使うそうです。
上の機械から出てくるアルコールでそのチェックを行い、調節するそうです。

そして最後、熟成です。
蒸溜で抽出したスピリッツを樽に入れておいておくわけですが、ウイスキーの味の 60% はこの時間で決まるといわれています。

ボウモア熟成庫で眠るウイスキー
[ボウモア熟成庫で眠るウイスキー]

ボウモア熟成庫の内部です。壁や天井が潮に結構やられていそうなのが印象的でした。
熟成の期間中、樽は外気の温度変化によって呼吸をすると言われます。ボウモアの潮気は、長い熟成の期間の課程で、この場で生まれます。

という感じで製造過程を一式紹介してもらったあとに、試飲をさせてもらえます。

試飲する部屋からの眺め
[試飲する部屋からの眺め]

湾の眺めが良いきれいな部屋でした。試飲場所として、蒸溜所の中で一番すばらしかったです。

ボウモアで飲むボウモア
[ボウモアで飲むボウモア]

ボウモアの歴史が壁一面に
[ボウモアの歴史が壁一面に]

カウンターの背後にならぶボウモアのラインナップ
[カウンターの背後にならぶボウモアのラインナップ]

ショップもとても充実していました
[ショップもとても充実していました]

というところで、一式、ボウモア蒸溜所でした。

他、ボウモア蒸溜所の印象ですが、いる人がとても親切で、気さくで明るい印象でした。
グラスゴー空港で飛行機遅延の状況を親切に教えてくれた元ボウモアディレクターの方、笑顔を絶やさず軽快なトーンで蒸溜所を紹介してくれたツアーアテンダントの女性、そして、ツアーが終わったあとに話しかけてきた、蒸溜所で働いている男性との会話には感慨深いものがありました。
・ まず、勢い良く 「アイラへはいつからきているのか」 と聞かれる。
・ 「昨日来たところで、今、ボウモアの見学に初めて参加した」 と答える。すると、
・ 「そうか、それなら蒸溜所を巡るのがいい。ブルイックラディで飲んで、ラフロイグで飲んで、アードベッグで飲んで、、、と巡るのがいい」 と大げさなボディランゲージと、リズムのよいトーンの声で勧めてくる。そこで、
・ 「もちろんそのつもりで、これから車で次々と向かうつもりだ」 と答えると、
・ 「OK、そうか、よかった。十分に楽しんでこいよ!」 といわんばかりの笑顔をこちらに向けて、去ってゆく・・・

そんな、ふと訪れた、なにげないひととき。
インダール湾から打ち付ける波の数々を眺めつつ、差し出された 2杯のボウモアを飲み干したあとに唐突にして訪れた、一瞬ながらにして忘れることができないひととき、でありました。



ボウモア。 自宅で撮影。 蒸溜所で買ったチェイサーのカップと共に
[ボウモア。 自宅で撮影。 蒸溜所で買ったチェイサーのカップと共に]



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